拝啓、執事殿

拝啓、執事殿
スピカ文庫

[著] 桜部さく [画] spike 

英国コルフォート伯領、アントネルの街。活気に満ちた大通りの裏、貧しい労働階級者の集う小路沿いのベーカリーで、ノエルは働いていた。10歳の頃、店主夫妻により孤児院から引き取られて以来、18年間1日の休みもなく、たったひとりでパンを焼き続けていた。だが、そんな日々は突然、終わりを迎えた。月に一度、ベーカリーの前を通り過ぎる一人の紳士によって。彼はルイス・コルフォート。第四代コルフォート伯爵…アントネルの街の領主だった。ルイスは劣悪な環境からノエルを連れ出してくれたばかりか、ノエルを自分の屋敷で従僕見習いとして雇ってくれたのだ。ルイスの屋敷で働き出したノエルは、従僕の仕事を必死に覚えた。すべては、自分を助けてくれたルイスのため。ルイスの役に立ちたい。その一心でルイスに尽くすノエルに対し、いつしかルイスも、特別な信頼を寄せてくれるようになるが……。

拝啓、執事殿

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